製作総指揮にマーティン・スコセッシやらスティーヴン・ザイリアンやらカンバーバッチが並ぶ本作。
地味なせいか、コロナ禍の影響か、私ひとりで見ました。
児童向け伝記小説でも必ずラインナップされているトーマス・エジソン。電球の発明で物語は終わることが多いですが、本作はそれ以後を描いています。
1800年代末に交流による電力供給を主張する実業家ウェスティングハウスと直流派のエジソンが激しく対立。苦境に立つエジソンはある方法でウェスティングハウスが推す交流の悪い評判を流すのだが…
ということで、カンバーバッチ演じるエジソンが己がポリシーを曲げて交流を貶めようとした結果、その野心を折られるという物語です。実業家ウェスティングハウスとの激しい暗闘、命を奪う発明はイヤだと言ったエジソンが加担してしまった"ある物"。コレが出てきた時には「うげっ」となりました。
それでいて、エジソンのある二つの発明がなければ、自分はこうして映画や音楽を楽しんだりできなかったんだなとしみじみ思うことも。そこはおそらく、この映画のもっとも美しい所であり、映画好きなら何かを感じるのではないかと思います。
なお、ウェスティングハウス側にはニコラ・ステラが。地味にエジソンvsステラという構図も。
翻訳は松浦美奈さん。テンポの良い本作、リズミカルに台詞が走ります。
『エジソンvsウェスティングハウス:夜を照らし肉を焼く電流戦争』みたいな内容なので邦題はミスリード。
本作で描かれたのはゲームではない。