Rosso

ビジランテのRossoのレビュー・感想・評価

ビジランテ(2017年製作の映画)
4.0
22年目の告白やAI崩壊など商業映画を任されている入江悠監督のオリジナル脚本作品。

これは刺さる。。。
何に刺さるのかって次男だよ、鈴木浩介氏って全然映画のイメージ無かったんだが今作のMVPだわ。
恐れ入った上手すぎますよ...

この閉鎖コミュニティで生き抜くためには彼が客観的に1番正しい選択をしてきているわけだが、どうしてかなこの歯痒さ。
対照的な桐谷健太演じる三男のこと、きっと羨ましく心のどこかで憧れや尊敬さえしてたんじゃねえかな。
そんな気持ちに気付きつつも、ラストのあのスピーチに拍手喝采の中、頭を深く下げた時の表情。。。
これさ、監督ご本人のやり切れない気持ちも込められてるんじゃねえかと推測したくなるよね。
そりゃ仕事ですし金にも実績にもなるだろうから色々な制約があって自由にタクトを振れない商業映画も作りますけど、でも本当に創りたくて見せたいのは...!!っつうさ。

篠田麻里子演じた妻も絶妙ね、見方次第ではこれ以上ないパートナーだよ最高!でもどんなに可愛くても絶対これ系の女は娶ってはいけない...
私に任せての意味するところを察しながらも止められない次男。
なんか本当に泣けてくるな。

お前のせいで!な大森南朋演じる長男も見事な太々しさだね。
恫喝されても「靴を脱げ」と言えるその肝っ玉はすげえわ。
そしてその言葉が目先の台詞ってだけでなく今作通して多方面に伝えたいワードになることがもう素直に凄い計算や。

仮につまらなかったとしても岡村いずみがトップレス披露ってだけで加点不可避でしたが、そのえちえち要素が吹っ飛ぶくらいにグッと来た。

本筋以外でもね、vsチャイニーズとかこれ見事な風刺だなあと素直に敬服。

ヤクザ絡みとか多少背景や描き方が雑に感じる箇所もありますが総じて響く映画でした。
(でもごめんAI崩壊は多分観ない...)
Rosso

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