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めがみさまのtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

めがみさま(2017年製作の映画)
2.6
地域発信映画の第2弾作品だそう。
埼玉が舞台になっています。
主演にもとAKBの松井玲奈(すっぴんに近いメイクにちょっとびっくり)W主演に新川優愛さん。

主人公の理華は地味めの会社員。
パワハラを受け、家では母親からモラハラを受け、メンタルがたがたで精神安定剤を服用して日々をやり過ごしてきたが、仕事で濡れ衣を着せられクビになってしまったことを契機に自殺を考える…が、死にたい…とネットで検索していた中にセラピスト「ラブ」のHPを見つけコンタクトをとる…というのが序盤。

序盤の段階で物語の仕組みを概ね察してしまえるんですが…故に、
①自己啓発セミナー、胡散臭ぇ。
➁理想の自分と現実の自分。生きずらさを抱えて我慢するより、ありのままの自分を受け入れ抑圧から自由になれー(セミナーでよくある系の鴨取り込み説法)
てな視点で観ちゃったので、結構しんどい。

ブーメラン的に自分に返ってくる部分と、自己啓発の手法(言い換えればカウンセリング手法)の描写があるので、気持ちムズムズするんです。

「で?何がしたいの?」
相談者の愚痴を一通り黙って聞いた後で、そう問いかける。
「愚痴るだけで何か解決する?」
と重ねる。答えに窮する相談者に対して、
「あのね、言わなきゃ分かんないんだよ、所詮は皆他人、嫌だったら離れればいい、でも自分だけは離れられない。だったら我慢なんてしなくていい自分を解放しなさい」
…まあ軽くマインドコントロールというか、洗脳っぽい。
セミナー会場は「女神様!」と拍手喝采。もうこの辺でスピ界隈のセミナー感が彷彿しちゃって。
しかも「ラブ」そして衣装がツバの広い帽子にマダム系ワンピース…これはどこかのスピ界隈で見たことがあるファッション…。

回答としては理華は解離性同一性障害ってことになるんでしょうか。
映像での匂わせは分かりやすく提示されるし、現実の自分との向き合うトリガーとして「ラブ」の主張に社会常識的に真っ当に批判してくる女性記者の配置があり、それは無意味ではなかったし脚本は整合性あるんじゃないかな…と思いました。

ただ粗はあるので、ファンタジー風なサイコドラマとして割り切ってしまうしか無いかも。

とりあえず一番気になったのは、エチゾラム…普通箱では処方されません…。