ノラネコの呑んで観るシネマ

空飛ぶタイヤのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

空飛ぶタイヤ(2018年製作の映画)
4.3
ドラマ版の出来が素晴らしかったが、映画もなかなか良く出来てる。
膨大な情報量から取捨選択して、2時間でキッチリとまとめてきた。
大手自動車メーカーのリコール隠しで起こった死亡事故。
「ユーザーの整備不良」として、責任を押し付けられた運送会社社長の不屈の戦いを描く。
長瀬智也の社長を軸に、メーカーから内部告発するディーンフジオカと、系列銀行の高橋一生、週刊誌記者の小池栄子らのエピソードが上手く絡み合い、緊張感を保ったまま終盤の逆転劇へ。
勤め人の悲哀、自営業の孤独、それぞれの立場で観て溜飲を下げられる勧善懲悪も痛快。
しかし、モデルとなった三菱自動車のリコール隠しから10年以上、あれだけ痛い目を見たのに2年前に再びの不祥事で日産に買収されちゃったが、体質って一度出来上がっちゃうと簡単には変わらないんだなあと改めて思う。
我が身を滅ぼすのは、自己保身と事なかれ主義。
日大とかも結局同じだよね。