なおこ

空飛ぶタイヤのなおこのレビュー・感想・評価

空飛ぶタイヤ(2018年製作の映画)
3.5
明らかに実在するとある企業をモデルにした、大手自動車メーカーのリコール隠しとそれに歯向かう小さな運送会社の話。自動車会社と銀行を抱える財閥って多くは無いので。

キャストが豪華過ぎて目移りしちゃう。監督の特徴なのか、顔面どアップの超接写が多くて、画面の圧が強い。凄い。
何かしでかしそうな中村蒼。訛の似合う佐々木蔵之介。重苦しい展開に一息つかせに現れるムロツヨシ。
それに負けない画面力を持った長瀬は本当に主人公向きだなと。倒れない強さも苦悩する繊細さも、運送会社の無骨な若社長役も合ってた。
それにしたって相棒と俳優さんが被り過ぎじゃないでしょうか。いつ右京さんが事件を解決してしまうかとドキドキしました。

弱き者たちが諦めずに巨悪に立ち向かう良くある話ではあったが、巨悪側に属する人達を描いてくれて良かった。負けた後にも巨悪は倒れずに変わっていかなきゃならない。それをするのは残されたそこで働く人達だ。きっと変えてやるんだと、いつかを期待できるラストでした。

原作は未読ですが、相当なボリュームなのであろうと。少々の駆け足感は否めず。森さんと安田…失礼。銀行チームの活躍は映画の後がメインなのかなと思いました。
高橋一生の凡庸に見えて的確なお芝居が好きです。岸部一徳との共演が見れて良かった。
なおこ

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