なおこ

ドント・ウォーリーのなおこのレビュー・感想・評価

ドント・ウォーリー(2018年製作の映画)
3.5
風刺画家としての彼よりも、アルコール依存症で身障者となったジョン・キャラハンのお話であった。
人生のシリアスさを茶化さず、人と向き合って話すことの難しさ。

主人公と全く同じ人生を味わってきたかの如しのホアキンの、笑う様と人相の変化に釘付けだった。彼のお芝居は「リアルを追求」なんてものじゃなく、同化してるから怖い。
脚本が過去とちょい前と今が行き来するので若干混乱してしまう。依存症の悲惨さを深堀りするのでもなく、作品へのフォーカスもどこか中途半端な印象は否めない。

車での移動シーンが印象的なガス・ヴァン・サント監督。泥酔したジャック・ブラックの絶望的過ぎる真夜中のドライブが今回も印象的だったが、電動車椅子での爆走シーンの方がこの映画を表しているかも。

自由に演じてくれと言ったら、ホアキンのお芝居が何故かどんどん親友であるケイシー・アフレックに似てきたと、ガス監督のインタビュー。ケイシーの癖が色んなところに見えてたって。だから「口に溜めた空気をぷすーって吐いて、斜め上を見ながら小さく首振ったりでもするのかしら?」と思いながら見てたら、ホアキン本当にやってた。ビックリした。断酒会のグループトークのとこ。ケイシーの癖そのままだった。
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