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ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男のnori007のレビュー・感想・評価

2.0
NHKで放送していた「顔に魅せられた男〜特殊メイクアーティスト・辻一弘の挑戦〜」これは本当に素晴らしかった。特殊メイクの技術を存分に使って作るアンディーウォーホル。それは生前のそれそのもの。
今作でもチャーチル本人にしか見えない作り込み。番組を見ればわかるのだがそれは簡単に出来るものではなく超絶テクニックと繊細な作り込みによって特殊メイクは再現されている。

そうした技術面は素晴らしい作品なのだが、物語として見るととてつもなくつまらん。よく「ダンケルク」の裏側を描いていて素晴らしいと絶賛されているが、ダンケルクの裏側なんてまったく出てきません。それどころか「オーバーロード作戦で兵士が何万人も死んでしまう!」「もしこの作戦が失敗したらどうしよう!」それだけを言っている映画と言っても過言ではないです。というか戦争の経緯を理解していないとまったく理解出来ない映画だと思う。ここにはダイナモ作戦もバトル・オブ・ブリテンも肝心のノルマンディー上陸作戦さえ描かれない。V2ロケットに関してもセリフだけでしかもバカにした風。これ一般人理解出来ないだろう。。。

だいたいである『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』の邦題はなんなんでしょう?こんなところにも日本人は歴史をまったくしらないし、ことごとく情報戦によってコントロールされる民族なんだなと思ってしまう。『ヒトラーから世界を救った男』ではなく正しくは『ヒトラーから連合国を救った男』である。このデブのトミーいや違った、ウィンストン・チャーチルは有色人種にとっては鬼畜そのものというのをご存知ないのでしょうか?。

日米交渉で戦争に消極的だったアメリカを開戦へ仕向けたのはチャーチルです。おかげで日本は戦わざるおえなくなってしまいました。ちなみに第二次大戦の勃発後はイギリスもイランに侵攻。どさくさに紛れてやつらもやることはやってるわけです。
チャーチルは有色人種を徹底して差別しインド人も見下していました。統治していたインドが飢饉によって疲弊しているのに、ほぼ見殺しにして300万人が死亡しました。ちなみに日本人戦没者が310万人なのでこの点だけでもチャーチルの非道さが現れてますね。もちろんガンジーですら軽蔑していました。イギリス軍は東南アジアでは日本軍に負けまくっていたわけですが戦後はノコノコとまた侵略に戻ってきます。といっても現地人も日本人を見習って反発するようになりその後、ほどなくして独立ドミノとなって行きましたが。。。
まあついでに付け加えると、イギリスはドラえもんで言うところのスネ夫のように口先で世界を混乱させました。二枚舌外交によって紛争を起こさせて疲弊させ自らが統治するというやり方です。現在のインドとパキスタンが核を向き合わせているのも、中東が世界の火薬庫となってしまったのもイギリスのせいです。中国を薬づけにし、南アジアに麻薬地帯を作ったのもイギリスのせいです。

というわけでこの映画で歴史を学ぼうなんて無理です。ある程度知った上で動いてるチャーチルでも見てみるか。ぐらいのテンションがちょうどいいのかと。
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