YukiSano

孤狼の血のYukiSanoのレビュー・感想・評価

孤狼の血(2018年製作の映画)
3.9
東映復刻バイオレンス架空実録もの。

腐った警察(日本映画界)のキラキラ男子代表の松坂桃李くんが、実は黒沢清作品や中島哲也作品で頭のおかしい刑事を演じまくっていた役所広司によって、東映任侠俳優に仕立て上げられる物語。

徹底的に70年代実録任侠ものの味わい復活させるためだけに執念を燃やしているのが痛快。ナレーションまで再現してるのは、どうかと思うが愛しい。

また、配信で見たが大袈裟な音響が劇場のような臨場感を感じて嬉しかった。そこら辺の地味なこだわりが最高。

とにかく気合い入りまくってる男汁俳優達が輝いている。女優陣の棒読みっぷりは疑問が残るが、こういう作品でのジェンダー問題だけは課題だって思う。アイリッシュマンのスコセッシは本当に凄かった。

現状の日本映画を変えようという気迫が伝わってくるが、油断した時に泣かせに来ててズルい。さすがに、あの「遺言」は心に染みる。やっぱり日本映画は泣かせに来るというお約束は守られた。

こういう作品に慣れていない観客目線を松坂桃李くんが案内人を請け負って、役所さんに地獄まで連れて行かれて映画館出る頃には眉間にシワ寄せて歩く映画。だけど今の観客の心に残るようにしっかり泣かせて、まさに人情任侠もの復活である。

レベル2が早く見たくて堪らない。もう10年くらいはシリーズ続けてもらって、アベンジャーズみたいなヤクザユニバースを期待する。最後のエンドロールの役者陣の姿がヒーローにしか見えなくて笑った。

そう。彼らは40年前は日本映画のヒーローだったんだよ‼️って胸が熱くなった。

そんな白石監督の仮面ライダーブラックが楽しみで仕方がないです。R指定にしてください。
YukiSano

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