さよこ

孤狼の血のさよこのレビュー・感想・評価

孤狼の血(2018年製作の映画)
4.0
【昭和の泥臭さ×白石監督節が全開】

なんていうか…ものすごく汗とタバコと血の臭いがする映画だった。

*

まず冒頭の拷問シーン。まだバイオレンスに遭遇するための心の準備ができてない観客たちに、いきなりカウンターを食らわせにくる。きゃー、やめてー、て目を覆う。それが開始30分の始まり。

「渇き。」以降、あたしが見る映画のなかの役所広司はとにかく輩(やから)。えげつない凶暴さ、下品さを兼ね備えてる。今回、1番パンチのある役だった。

*

舞台は昭和63年。まだ黒電話の時代で、扇風機が主流で、夏はハエ取り紙をぶら下げて。あぁ、そうそう、この懐かしい感じ。映像も昭和のフィルム感が漂うザラザラした粗い感じで味があった。

あたしが思うマル暴は、そうこんな感じ。どっちがヤクザか分かんないやつ。立場が違うだけで本質はほぼ一緒。

あたしが思う広島も、そうこんな感じ。みんな「〜じゃけぇ!」て怒鳴り合って血気盛んなイメージ。家の納屋には日本刀があるし、街を歩けば3歩でヤクザにぶつかる治安。

そのとおりの広島を実写で観ると、いやー…迫力がスゴイ。

*

役所広司も松坂桃李もハマり役。
真木よう子もハマり役。
竹野内豊が別人のよう。
中村獅童は迫力ありすぎ。
…とにかく役者陣がすごかった。

ストーリーも二転三転して面白かった。
特に役所広司のキャラの深みはスゴイ。

片方だけを見ていても、真実にはたどり着けないし、正義だけを貫いても誰も救えない。そんなメッセージを感じた。

*

(点数減らしポイント)
「痛い痛い痛い痛い…!」の多さ。目を瞑っても音が生々しいから耳も塞ぎたくなる。痛かったーーー!🤢

登場人物が多くて、ちゃんと名前を覚えておかないと、どっちの組の人だっけ状態。昭和のワイドショー的な例のナレーターでの説明をもうちょい増やしても良かったかな。

最後が若干、間延びしちゃった。

なんだかんだで、これ続編作ってほしいな🐰
さよこ

さよこ