ゆきんこ

乱世備忘 僕らの雨傘運動のゆきんこのレビュー・感想・評価

乱世備忘 僕らの雨傘運動(2016年製作の映画)
4.7
中野のディープな雰囲気のある映画館で鑑賞。自分の中での映画の概念を覆された作品。

映画を自分たちの生きづらさを伝える手段として使っていることが衝撃的だった。「備忘録」として自分たちが生きる社会への疑問を映像として残して世界に発信しているのは、私と変わらない大学生の若者たち。
香港には観光で訪れたことがあるけど、実質的な普通選挙が未だに行われていないことを初めて知った。また、本質的には民主化もされておらず、中国の共産主義とイギリスの資本主義の狭間にいる香港では、今でも政府と国民の間に摩擦が生じている。

自分たちが生きている社会に対して声を上げることの大切さと、世界で起こっている問題を学ぶ意義、それを人々に伝えていくことの大切さを知った。
この映画を観たことで、映画を見る時にその映像の奥にある社会や文化の構造についても考えるようになった。

映画は人々に消費されるものではなく、問題提起のための手段でもあるのだ。
ゆきんこ

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