さうすぽー

ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめのさうすぽーのレビュー・感想・評価

3.9
自己満足点 76点

パキスタン人のコメディアンと白人女性による恋愛映画です!
そのカップルの組み合わせ自体非常に珍しい上に、実話を元にしてるというのが驚きでした。

自分はあまり恋愛ものが少し苦手なところがありますが、そんな自分でも申し分無いほど良い映画でした!

殆どがイスラム教徒であるパキスタン人と、アメリカの白人女性とが関係を築いていくのがいかに難しいかが解りました。
イスラム教では普通はお見合い結婚であり、その主人公クメイルも親からお見合いを強いられています。
しかしある日、ヒロインの白人女性エミリーと恋に落ちて関係を築いていきます。

二人の立場とも境遇が違い、最初は人種差別等が深く関わってくるのかと思ったのですが、それほどあったわけでは無いみたいです。
何よりも、イスラム教徒のしきたりかどうかは解りませんがかなりお見合いを重視しているそうで、それによって主人公は家族とエミリーとの板挟みにあってしまいます。

更にヒロインも原因不明の病気にかかってしまい、昏睡状態になってしまいます。
そんな二人がどんな結末を迎えるか。

二人の関係性を緻密に描いてたわけでは無いですが、凄く繊細に描かれていました。
そして、主人公は実在の人物ではありますが、フィクションのキャラがそのまま出てきたかのような瑞々しさがあります。
エミリーとの関係に悩んだり、病気で倒れた時はその子に献身的に向き合ったり、凄く良い人物です。
エミリーの方も、クメイルの事が好きなんだなという感じがありありと伝わってきて、「こんな子が恋人なんて珍しいな」と思いました。

詳しくは書きませんが、その他のキャラも結構良かったです。
クメイルやエミリーの両親、クメイルのライバル達等、関係性を丁寧に描いてた印象です。

ただ、もう少し出会いからお互い恋人になるまでを描いてほしかった気持ちはあります。
恋人になるまでが結構短めだったので少し物足りなさを感じてしまいました。

また、この映画はラブコメというように宣伝されてますが、笑いの部分は凄く笑える訳でもなくクスッとするくらいなので、観たい方はそこに注意が必要です。

ちなみに、このクメイルを演じてる俳優の名前は、クメイルと言います。
そうです、本人の話を自ら演じています。
ヒロインは別の人が演じていますが、主人公を自ら演じてるので凄くリアルに感じます。

また、この映画を脚本を書いているのも、クメイルさんと実際のエミリーさんだそうで、この二人がどういう気持ちで書いていたかも気になります。

主人公が美男では無いですが(ヒロインは美人だと勝手に思ってる)、恋愛ものとして本当に素晴らしい映画だと思います!

女性の皆さん、イケメンとは言えませんが、この真っ直ぐで健気な男性はいかがですか?