リリー

ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめのリリーのレビュー・感想・評価

3.5
明るい雰囲気で作られていますが、イスラム教徒への差別表現があったり、クメイルがイスラム過激派組織ISISを使った自虐ネタで笑いを取ったりして、要所要所にアメリカに暮らすイスラム教徒の苦しい立場が垣間見られます。エミリーのお母さんが、コメディクラブでヤジを飛ばした客にキレている場面は面白いです。
それでも、パキスタン人たちは自分たちのアイデンティティを大事にしていることもわかります。一番それを強く表していたのは、クメイルのお母さんが、頻繁にお見合い相手を連れてきてクメイルに無理やり会わせるところです。しかも、超美女ばかり。アメリカに暮らしているパキスタン人なのに、結婚相手は同郷人でなくては許さないと親たちが考えているのに少し驚きました。しかし世代ギャップがあり、それに対してクメイルのような若い世代は、見合いは嫌だしお祈りを重要だとも思っていないのです。
アメリカに来たからこそ、クメイルは自由な生き方を選べたのかもしれません。
リリー

リリー