セガール幹事長代理

一礼して、キスのセガール幹事長代理のレビュー・感想・評価

一礼して、キス(2017年製作の映画)
1.5
イケメンと不細工の決定的な違いは、女性に強気な態度をとって許されるか否か、ということにあります。
少し前に流行った壁ドンなる行為も妻夫木や木村だと画になりますが、渥美や温水のような我々サイドの人間がやると只の強姦魔として塀の中にぶち込まれることでしょう。

本作は、極度の俺様系彼氏と末期の奴隷系彼女のお話です。

イケメンが付き合ってもない女性に対し、弓道場で無理矢理キスしたり、押し倒したり、「これ以上のことしちゃうよ?」と言ったりと、やりたい放題ですが、女は女で目をトロンとさせる始末です。

ハプニングバーですらもう少し手順踏むぞと、日本の性の乱れを憂いていたらイケメンが「今日親いねえからウチ来いよ」と一言。

公衆の面前で散々粘膜の接触しといて親の目は気にするんかいと声を荒げそうになったが、映画自体信じられない程つまらないので濡れ場のひとつでも観てトントンにしようと待ち構えていた。

しかしイケメンが家に連れ込んだはいいものの、謎の気の迷いで何もせずに女を帰宅させたので、私は持っていたタブレットを落としそうになった。
女も女で「やらんのかい」って顔してた。

この手の映画によくある、男女が至近距離で会話をするシーンを観ててよく思うのだが、しゃべってる方は自分の口臭とか気にならないのだろうか。
『昼食べたあと歯磨いてないわ』とか、『やべえ昨日の夜ニラレバだわ』とか、そういう相手への配慮ゼロの、『俺の顔だけ見とけよ』的発想ができること。
それがイケメンと不細工の狭間に存在する真のボーダーラインなのかもしれない。

ちなみに本作の『弓道』ですが、これが仮にダーツや輪投げとかでも全然成立します。
ダーツの方がチャラくていいかもしれません。


自分で自分のことをダメ男好きって言っちゃう人にオススメ。