ユカリーヌ

シネマ歌舞伎 京鹿子娘五人道成寺/二人椀久のユカリーヌのレビュー・感想・評価

3.8
【過去に観た映画】2018.1.15

平成28年に歌舞伎座で上演されたもので、シネマ歌舞伎の30作目とのこと。

道成寺は、本来、花子一人が舞うのを今回は玉三郎と若手
(中村勘九郎、七之助、梅枝、児太郎)の4人の計5人で踊るという特別演出。

着物や小道具、次々と変わり、
二人、三人と編成も変わり、
華やかで艶やかな舞踊が披露される。

映像ならではの趣向として、
役者のアップや5台の姿見が並び、沢山のスタッフが着替えを手伝う舞台裏の様子も映し出される。

それはいいのだけど、
素顔の役者へのインタビューが
合間合間にちょこちょこ入る構成は、ちょっといただけない。

冒頭部分は台詞があるが、後は
ほぼ舞踊だけになるので、退屈させてはいけないからと、合間に挟み込むのかわからないが、そこで、気持ちが途切れてしまうのが残念。

玉三郎が、インタビューで、
後輩と舞台に立つのは、教えるとかではなく、言葉で伝えられないものを稽古場、楽屋、舞台と共有するうちに感じてもらえ、つながっていくと語っていた。

「二人椀久」の方は、一気に見せてくれ、その世界に入り込めた。

月明かりの浜辺で、薄暗く、幻想的で、台詞がないが、愛する人を求める思いや幻だと知る切なさが舞踊から伝わり、
ラストには涙が流れた。
ユカリーヌ

ユカリーヌ