バッハのフーガが作りたかった、という監督のインタビューを読み、なるほどなと思った。素敵なセンスを持った監督がまた現れたなぁ。
赤と青で塗り分けられた２つの世界は、「わたしたちの家」という聖域の中で微かに共鳴する。その中では少女が大人へ向かうような姿と、少女性を象徴するものが大人になるのを拒絶しているような姿が交差し、パラレルワールドでも過去と未来でも無い不思議な空間がそこに生まれる。
ガラクタから宝を探す女たちと、ごみ収集車に乗る男。シャッターで遮られ閉塞された家と無限に広がる海。モチーフや絡み合う世界線を追うのもとっても楽しいし、絶妙な空気感に浸るのも気持ちが良い。好きだった。
