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ポルカ・キングの一人旅のレビュー・感想・評価

ポルカ・キング(2017年製作の映画)
5.0
マヤ・フォーブス監督作。

2009年製作のドキュメンタリー『ポルカ・キング:栄光と没落の物語』を基にしたクライムコメディで、コメディアンのジャック・ブラックが実在のポルカ歌手を妙演しています。

本作は、ポーランドからアメリカに渡りポルカ歌手として人気を博した一方で、高齢者を中心としたファンの人々に投資詐欺を働いていた実在の人物:ヤン・レヴァン(1941-)の半生を映画化した実録コメディで、そのカリスマ性と親しみ易さから瞬く間にファンを獲得していった主人公が、人気の裏で引き起こしていた巨額の投資詐欺によって身を滅ぼしてゆく様子とその後を事実を基に再現していきます。

小さなポーランド雑貨店を営む傍ら、自らをリーダーとしたポルカバンドの全国巡業、TVや新聞等のメディアへの積極的な露出、ローマ法王謁見ツアーの企画・運営、ミス・ペンシルベニアコンテストでの不正行為、そして数多くのファンを喰い物にした巨額投資詐欺の発覚…と犯罪者ながらその憎めないキャラクターで人々から愛されたヤン・レヴァンというポーランド男の波乱の半生をユーモラスに描いた“犯罪喜劇+伝記ドラマ”で、本作は移民にも成功を収めるチャンスが与えられると共に、たとえ失敗しても人生を再出発させるチャンスがある=“アメリカンドリーム”の本質と可能性をポジティブに捉えています。

主演のジャック・ブラックが実在のポルカ歌手をポーランド訛りの英語で芸達者に妙演していますし、熟女好きなバンドメンバーを演じたジェイソン・シュワルツマンや口の悪い義母を演じた名バイプレイヤー:ジャッキー・ウィーヴァーら脇を固める俳優陣の個性も際立っています。
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