そう結局ピクサーもディズニーに

シドニー・ホールの失踪のそう結局ピクサーもディズニーにのレビュー・感想・評価

シドニー・ホールの失踪(2017年製作の映画)
4.0
2019年 271本目

歯車って美しくとても脆い。幾つもの歯車が折り重なって精緻な動きをしている。側から見てると美しい動きなのに、1つ崩れただけで端から端まで全て崩壊してしまう。

他人の心に眠る闇を知った時、人はもがくほどに他人の闇に引きずり込まれていく。

ローガンラーマン演じる天才作家の主人公シドニー。彼が作家になる前、なった後、そして失踪した後、の時系列を行ったり来たりとランダムに交錯させながら物語は進む。一度観ただけで細部に渡る描写を理解するのは難しい。

失踪の理由はミスリードを上手く使いながら、徐々に真相が紐解けていく。
友達、恋人、親、仕事仲間。
1つの歯車が欠けた瞬間に、その全ての関係が崩れる。それでも下を向かず、歩き続けることを求められる。これは酷です。

登場人物、特に友達の感情が苦しいほど伝わる。大変だったね、で終わらすのは簡単。人間、誰かじゃなくみんな心の闇と闘っている。
良い作品に出逢えました。