ぎー

勝手にふるえてろのぎーのレビュー・感想・評価

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)
3.5
ずーっと気になっていた本作。とうとう鑑賞できた。
評判も滅茶苦茶高く、題名もこんな感じだから重厚な感動作かと思ったが、"面白い"映画だった。
とにかく滅茶苦茶面白い。
主人公のセリフや所作全てが。
もちろん松岡茉優の演技力もあったと思うが、よくできた作品だったと思う。

松岡茉優演じる主人公良香には2人の恋人がいる。
子供の時から勝手に片想いしている"一"と、ぐいぐい言い寄ってくる同僚の"二"。
あまりにも良香がぶっ飛んでいるから、この映画は彼女を嘲笑うように作られているけど、多分実は人は誰しも同じような人間性を抱えている。
理想と現実。
理想と現実を持つのは良いけど、勝手に理想に依拠して現実があるのにそれを否定し続けて受け入れないのは、大人には許される事じゃない。
繰り返しになるが流石にここまでぶっ飛んでる人はなかなかいないと思うが、そんな現実を改めて僕らに突きつけてきたと思う。

"二"の"イケてない"男っぷりは良かった。
良い演技だったと思う。
初めての飲み会でちょっと強がったり、連絡先を聞くために無理矢理頑張ったり、初めてのデートで強がってお酒飲みすぎたり。
似たような経験は男なら誰しもしたことがあるはずで、微笑ましかった。

あと、会社の同僚のくるみさんは良い人だったね。
もちろん男性経験がないとか"二"に伝えちゃったわけで、でもそれは善意からだったわけで、そんな中で良香からあんなふうに言われたら、普通下手に出て関係をやり直そうとは思わないでしょう。
(それは"二"も同じか。)
主人公の良香があそこまでなっちゃったら、普通はヒッピーエンドにはなり得ないのにそうなったのは2人のおかげだよね。

面白かったし、人が誰しも抱えてる"恥ずかしい"部分を上手く描写してるとは思ったけど、流石に主人公が拗らせすぎてて感情移入は出来なかったかな。
でも兎に角面白かった。
高評価も納得。
ぎー

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