ささかまぼこ

勝手にふるえてろのささかまぼこのネタバレレビュー・内容・結末

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

なにも知らずに観たのですが、「原作 綿矢りさ」で妙に納得した。

最近、映画でもアニメでも空気感が大事だと思っている。その作品の世界は、私が観ていなくてもずっと続いているだろうという空気感。この作品の住人はこの後もこのまま生活を続けるだろうと思った。

10年片想いした憧れの人は、自分の名前を覚えていなかった。これをきっかけに主人公の空想の世界は音を立てて崩れていき、次第に現実と対面していく羽目になる。
主人公は何故、空想の世界を謳歌していたのか。それは、他人に迷惑をかけたくない、他人を傷つけることによって自分が傷つきたくないという気持ちが強かったのではないか。他人に踏み込めない自分は絶滅すべきでしょうか。
しかし、2が一歩踏み込んできたことで、主人公は、相手が傷つくことを怖がりすぎて空想の中でだけ過ごしていても仕方ないと気づいたのだと思う。それで自分に対しての「勝手にふるえてろ」なのかなと思った。

松岡茉優がとにかく素晴らしい。不安定な若い女性を見事に演じきっていた。