年の離れた夫は自分に興味を示さず、人里離れた屋敷で孤独に過ごすキャサリンが、徐々に狂気を見せていく…。
19世紀を舞台にしたサイコスリラー。
タイトルが「Lady Macbeth(マクベス夫人)」でイギリス映画だから、シェイクスピアのマクベスを思い浮かべちゃうけど、原作はロシア文学「ムツェンスク郡のマクベス夫人」なので全く別物です。
とにかくデビュー2作目とは思えないフローレンス・ピューのお芝居に圧倒される!20歳前後でこの存在感と貫禄。やっぱり只者じゃない。
落ち着いた低い声と、表情の変化…この作品をきっかけに注目されたのがよく分かる。
始終静かな作品で、ほぼ聴こえるのは台詞と生活音のみだけど、それが作品の雰囲気と伝えたい密閉感というか抑圧されている感じを演出していた気がする。
キャサリンだけでなく、夫もメイドもみんなそれぞれ違う形で抑圧されていて、観ていて息苦しかったなぁ。
罪を犯したのは悪いことだけど、結婚して夫の家の所有物とされてしまっているキャサリンが、自分の道を切り開くっていう視点で見るとちょっと清々しいかも?
ラストで表情変えずに、潔く切り捨てるのが怖かった(笑)
静かで抑揚もあまりないけど、フローレンスのお芝居を堪能できて、目が離せない作品です。