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コロンバスのsonozyのレビュー・感想・評価

コロンバス(2017年製作の映画)
5.0
韓国系アメリカ人監督「コゴナダ/Kogonada」が、小津安二郎にオマージュを捧げたという初長編作。
コゴナダという名は、小津安二郎の『晩春』〜『秋刀魚の味』までの全作品の脚本に関わった野田高梧(のだこうご)に因んだそうです。

アメリカ・インディアナ州の小さな街、コロンバス。
1920年代、機能主義の建築として成立したモダニズム建築の宝庫。(初めて知りました)

1年間交流がなかった建築学者の父が倒れ、コロンバスを訪れた韓国系アメリカ人ジン(ジョン・チョー)。
薬物依存症の母を抱えながら図書館で働くこの街の建築が大好きなケイシー(ヘイリー・ルー・リチャードソン)。

この二人が出会い、コロンバスの建築を巡り、語り、互いを知り、癒やし合うことで、それぞれの新たな一歩を踏み出していく。

エーロ・サーリネン設計の「ミラー・ハウス」の美しい庭を始め、コロンバスという街の魅力。
『search/サーチ』に出てたジョン・チョーと『スウィート17モンスター』に出てたヘイリー・ルー・リチャードソンの二人のキャスティングも良かった。

コゴナダ監督の小津安二郎愛&コロンバス愛に溢れ、静かに感情のひだに沁み込む作品でした。
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