mao

月と雷のmaoのレビュー・感想・評価

月と雷(2017年製作の映画)
3.5
草刈民代さんの存在感、上手さに感動しました。
さすがバレリーナ、何をしていてもどんなにだらしのない動きをしていても体幹がしっかりしているのがわかる。
庭で足を洗っている姿、なんてことのないシーンなのだけど、所作のひとつひとつがきれい。

草刈民代さん演じる直子のセリフに『始まったら終わりなんてない。でもなんとか切り抜けられる』というようなものがあって、その言葉に泰子同様私も背中を押される思いでした。
何かを新しく始めるのは、こわいことでもあるので。

もうひとつとても印象に残ったのが、直子を拾い共に生活する石材屋のおじさん岡本。
木場勝己さんという方で、私は今回初めてお名前を知ったのだけれど、中年男の淋しさと色気と人情を全体から滲ませていてすごい役者さんだなと思いました。
直子のカラオケを聞きながらの表情なんて、見ているこっちまで切なくなるもの。

家族って、一体何なんでしょうね。
今年後半は奇しくも『幼子我らに生まれ』『ユリゴコロ』今作『月と雷』と家族がテーマの作品を続けて観たのですが、血も水も実のところ変わりはないんじゃないかと考えるようになりました。
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