月と雷の作品情報・感想・評価

月と雷2017年製作の映画)

上映日:2017年10月07日

製作国:

上映時間:120分

あらすじ

あてもないけど、生きていく。ふつうの人間関係を築けない大人たちがその意味を探し続ける切なく孤独な旅ー。 あたしはこれから普通の家庭を築き、まっとうな生活を重ねていく。結婚を控え、そう考えていた泰子の前に現れた、かつて半年間だけ一緒に暮らした父の愛人の息子、智。20年前、愛人、直子と智が転がり込んできたことで、泰子の家庭は壊れたはずだった。根無し草のまま大人になった智は、ふたたび泰子の人生を無邪…

あてもないけど、生きていく。ふつうの人間関係を築けない大人たちがその意味を探し続ける切なく孤独な旅ー。 あたしはこれから普通の家庭を築き、まっとうな生活を重ねていく。結婚を控え、そう考えていた泰子の前に現れた、かつて半年間だけ一緒に暮らした父の愛人の息子、智。20年前、愛人、直子と智が転がり込んできたことで、泰子の家庭は壊れたはずだった。根無し草のまま大人になった智は、ふたたび泰子の人生を無邪気にかき回し始める。「邪魔しないであたしの人生」、そう普通の幸せを願っていたはずなのに・・・・・。 泰子は智とともに自分の母親、異父妹、そして智の母・直子を訪ねて行くことで、平板だった自分の人生が立ちどころに変わって行くのに気づき始める。

「月と雷」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

知人の高評価が気になり、自分にしては珍しく先に予告を見て、雰囲気も良く、また地元の劇場の上映タイミングが都合良かったので、予約。
しかし交通渋滞に合い、劇場に着くまでにいつもの倍近く時間がかかったため、上映が始まって20分ほど経ってからやむなく入場。
途中から入った自分が最初に見た光景がセックスシーンだったので、ちょっと戸惑ったが、予告やあらすじで見た知識を思い返しながら、何とか主役二人の関係図についていこうと集中…

無論冒頭から見れなかったのは痛いが、それでも最後まで見て大体は内容は味わえた(つもり)なので、恐縮ながらあえて、この半端な初見体験も含めてレビューしてみる。というか、結論から言えば自分にとっては、少しでも書かずにはいられないものを見せてもらい、今作という映画を通して、新たな視野が広がる体験をさせてもらえた。


具体的なシーンの分析と記述が難しく、また私自身それらが得意ではないので、
上手く説明はできないが…
今作を通して自分が感じ得られたものは、主に主役の泰子を通して”女性が生活していく難しさ”だったのかなと思う。
私自身、恐らくは自他共に認める、男に生まれてよかったなと言える性格で、面倒事が大嫌いの身勝手な人間だ。映画に限らず、日常の中でふと女性の生活を見ていて、”女って大変だな、俺は男でよかった…”と思うことが多々ある。

そんな女性の気持ちに疎い自分が、今作を見てくうちに、まるで自分が泰子になったかの如く、周りが勝手に運んでくる面倒事が描かれるに連れ、ドンドン不快になっていく。
特に、妊娠してから吐き気や怠くなる泰子の描写が、初音映莉子さんの演技力も相まって、見ているこちらまで気分悪くなりそうだった。感情移入している一方で、“女性って、こんな大変だったんだな…”と、頭ではなく、体験的に感じさせられた。

自分にとって、映画などを通してこういう気持ちをさせられたのは多分初めてなので、私にとってはこれだけでも、この映画は忘れられない心の一本になったと思う。


また智と直子に関しても、泰子からすれば許せない(自分が泰子だったらあんなに優しく相手できない苦笑)人間である一方で、
しかしどちらかといえば自分も彼らのような風来坊気質な人間なので、特に最後の直子と泰子のくだりは、終始上手く言葉にさえしなかったが、直子なりに、ああした今までの言動が、
きっと留まって真面目に過ごすよりはずっとマシな選択と思考するようにならざるを得ない人生を送ってきたのかな…と、
どこか同情させる生々しさがあり、そうした人生観に結局、突き返しきることができない切なさや儚さを感じさせた…。


この世には、掃いて捨てるほど、様々な人間と、それだけの出会いがある。
しかし、自分の人生はただ一度きりで、誰一人同じように生きることもできないし、当事者になることもできない。だから、本当は”こうしたら上手くいく”なんて成功術は上手く活かせる人のが圧倒的に少ないだろうし、その苦しみを綺麗に分かち合えるほど、人間及びその社会は、器用に生きていけるものではないのだろう。

今作は、そんな生きにくい境遇に、更に掻き乱されるような事態に合う女性が、そこから何と・どう向き合って、どんな未来を選択するのか…
ありふれてるかもしれないが、しかし間違いなく貴方にしかない道…という一例を見せてくれたような、
生々しくも捨て切れない人生観を感じさせる一作でした。
はじめはん?って思ったけど終わってみるとすごく良い映画だったな
鍵となるシーンのセリフが絶妙
草刈民代が素晴らしかったなー
僕が住んだことのあるのは、東京・埼玉・茨城の3都県。それぞれの風景というかカメラから醸し出される空気感が懐かしくて、愛おしくて、愛してしまったり頼ってしまったりする気持ちに対するリアルな想像力が研ぎ澄まされたような、そんな感覚で鑑賞することができました。
角田光代の同名小説が原作。
原作を以前読んだことがあったので気になっていた。
メジャー配給でヒットした「八日目の蝉」や「紙の月」のような派手な要素は無い。
そして、多分宣伝要素の一つである濡れ場シーンもそんなに突出した印象は無く、どちらかというと地味で冴えない泰子の日常に起こったさざ波を淡々と映し出していく。

主演の初音映莉子はどことなく初期の上野樹里を彷彿とさせる顔立ちで、冒頭から終始険しい表情だったのがラストには柔らかな表情へと変わっていく。

何より直子を演じた草刈民代が良い。
助演女優賞ノミネートものの素晴らしい演技だったと思う。
化粧気の殆ど無いガサガサの中年女を見事に表現していた。
ボソボソしたコミュ障っぽい喋り方が面白くて彼女が出てくるとつい笑ってしまった。
味のあるカラオケシーン、そして不器用に塩むすびを作るシーン、あぜ道での泰子との別れのシーン。
好きなシーンが沢山あった。

ラストはどう捉えたら良いのかな。
原作はどうなってたかもう一回読み返してみよう。
そして原作を読んだ上でもう一回観たい。

2017.10.18 テアトル新宿
aki

akiの感想・評価

3.0
ここ最近の邦画では好きな方
だが最後がしっくりこなかった
登場人物も展開も好きな方だが最後だけ
Kengo

Kengoの感想・評価

2.8
泰子に焦点を絞ったストーリー

秩序の破壊者としての東原親子。
智に出会うことで普通の生活を失った泰子が、大人になって智と再会することで1つ屋根の下で暮らす家族の時間が動き出す。

原作とは少し違えど、妖しい魅力を放つ直子。ひとところにとどまることのできない彼女の言動にやきもきさせられるも、最後は彼女の言葉に勇気を与えられる泰子。

壊されたものが壊したものに出会うことで再び秩序を構築しようとする。そんな印象を受けた映画だった。
原作とはまた違った物語。
Shoya

Shoyaの感想・評価

3.4
2時間という限られた時間があるのだろうが、もう少し心情の移り変わりをゆっくり丁寧に表現しても良かったと思う。
また、メインではないところで少し好みでない演技をする俳優さんがいたのが残念だった(終始言葉が台詞に聞こえてしまった)。
それを除いては、題材の寂しさや儚さをとてもうまく演出していたと思う。特に自転車を二人乗りしているシーンの発色には驚いた。あれはなかなか出せる色味ではないし、そこを長回しにした演出は圧巻だった。

登場人物全てが共通して抱える感情は「寂しさ」だろう。その感情は、大人になればなるほどなかなか表に出すことができない。
だからこそ、表に出た時の爆発力や破壊力は強大で、嬉しさや楽しさといった感情よりも遥かに大きな力で作用し、人生を動かしていく。

寂しさを共有できる相手に出会えるかどうかということは、もしかしたら人間の幸せに直結するのかもしれない。
東川

東川の感想・評価

4.3
智の無邪気さと、どこか普通ではない影のある感じが個人的には堪らなかった。

直子と泰子のやり取り、自分が親になった時に思い出しそう。

ラストが、まじかっていう気持ちと、ああ、やっぱり…っていう気持ちと半々で、個人的には整理がつかなかった。

小説を読むと、なんとなく分かるのかもと調べてみて思ったので、今度読む。


あと、例のシーンが色々と刺さった。観た後寂しくなった。
緩やかな音楽
緩やかな台詞
まったりした時間。

それに騙されてはいけない。
登場人物全員クズ。

邦画らしいっちゃあ邦画らしいね。
意味なんてないのさ〜
ゆっこ

ゆっこの感想・評価

3.6
個人的には好きな作品。
そこまで人気のある役者がいるわけでもない(高良くんくらい?)なのに、なんでか奥行きのある作品となってる気がする。

監督のわざとらしいけどなんか親しみを感じる演出がなんだかクセになるな~。
有り得そうで有り得ないだろう日常が好み。

主人公がこんなにもツラい状況にも関わらず、ほとんど泣いてるシーンがない。主人公の芯の強さを感じられてすごく良かったです。
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