845cinema

ヒットマン:インポッシブルの845cinemaのレビュー・感想・評価

4.5
 原題は『車椅子の殺し屋』。ふたりの若者が怪しい大人と出会い、危険な世界に足を踏み入れていく定番の物語に、「障害」の要素を足すことでオリジナリティを獲得している。この設定が奇をてらうものでなく、映画と有機的に結びついている所が素晴らしい。
 ハンデとして描かれる事が多い障害を、武器として機能させたかと思えば、坂道というだけで起きるサスペンス。アイデアに富んだアクションも巧い。
 こうしたギミック的な要素以外にも、メインキャストの二人に障害者を起用することで生まれるリアリティもすごい。車椅子でのケンカのやり方、尿袋、短く切ったストローなどディテールの積み重ねや、障害の違いが説得力を増す。
 殺意を覚えるほどの酷い邦題だけど青春映画としても、ジャンル映画としても見事な傑作。
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