hasshi

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書のhasshiのレビュー・感想・評価

3.6
報道の自由が権力に勝った。映画のストーリーだから演出があるにしても、ジャーナリズム、かくありたしである。政府に忖度するとは無縁で、あるべき姿を丁寧に伝えている。スピルバーグ節が所々にあり、個人的には辟易するが、映画としての完成度は高いと言える。

ベトナム戦争 マクナマラの誤謬(ごびゅう)とNHK「映像の世紀」という番組があった。しかし、むしろ正確なドキュメントを残した彼の功績があって、それが漏洩、報道されて、ベトナム戦争は終結した。決して誤謬ではなく、正確な記録文書が、いかに重要であるかということが明解になる。
翻って、日本はどうか?文書記録も忖度されて、いい加減。ジャーナリズムがリークしたところで世論を動かすインパクトは生じない。なぜなら、元の文書自体が忖度で虚偽の塊だからだ。それに、いいなりのメディアだとしたら、国の誤った施策を修正する余地は全くない。これじゃ、日本は良くなるわけ無い。
ということが、あらためて実感出来た。この国の未来の展望に、またひとつ失望した。
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