アメリカ政府がベトナム戦争に関する幾つかの嘘の情報を流した等という事は既に周知の事実だし、アメリカ政府の秘密を暴く映画はこれ以外にも数限り無くあるので、目新しさは無い。
この作品は1971年という時代にワシントン・ポストの社主が女性だったという点がポイントだと思う。
それも夫の自殺によって45歳の主婦が父親の事業を潰さないために突然代表となり、会社の運命を左右する判断を迫られる。
周囲には代表が女性であることを明らさまに批判する者も何人か居る。
そしてトム・ハンクス演じるベンの妻が言っていた様に、社主として成長したキャサリン・グラハムの勇断を讃える作品だと思う。
ワシントン・ポストはこの後、あの「ウォーターゲート事件」の様々な事実を紙面で発表して大きく注目されていくのだ。
ヒラリー・クリントンが初の女性大統領になっていたら、それを讃える意味でもこの作品は賞賛されただろう。
ニクソンと同じく特定のマスコミ批判をする今の大統領にはかなり皮肉な作品かも知れない。