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アネットのんぎのレビュー・感想・評価

アネット(2021年製作の映画)
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どう評価を下せばいいかわからないのが正直なところ。ドニ・ラヴァンではなく今をときめくアダム・ドライバーである理由は、漆黒のバイクにまたがる彼の体躯が最初に映されたときの畏怖にも近い感動とともに諒解される。しかしドニのような底知れなさ、スクリーンという壁を通り抜けてこちら側まで侵蝕しかねないほどの圧倒的な狂気が足りない。少なくとも自分とっては、前作『ホーリー・モーターズ』の刺激に満ちた映画体験には遠く及ばなかった。ただ、映画とはここまで自由で野蛮でカオティックで良いのだということを思い出させてくれ、大林宣彦の遺作を観たときと同じ感覚に。
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