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瞳をとじてのんぎのレビュー・感想・評価

瞳をとじて(2023年製作の映画)
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ブランクを感じさせない会心の出来ばえだが、綺麗にまとまりすぎている印象も受けた。通してライティングが素晴らしく、その貢献もあってかつねにスリリングで冗長さは感じなかったな。カメラワークには随所にちょっとずつ不満あり。それにしても台詞であれだけ注釈をつけてなんとか3時間弱なのだから、本気(?)をだしたらその倍はかかりそうだ。間違いなくそっちのほうがカルト的傑作として後世に語り継がれそうだし、より自分好みな仕上がりになっていそうなので、もしもディレクターズ・カットなるものが存在するのなら観てみたい。映画(製作)についての映画、その切り口や構成もさることながら、途方もないブランクを経たベテラン作家の集大成的作品というと、どうしてもモンテ・ヘルマン『果てなき路』が思いだされる。寡作になった経緯はまったく異なるのだろうが。
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