ピロシキ

アネットのピロシキのレビュー・感想・評価

アネット(2021年製作の映画)
3.0
嵐の中のダンス。てっきりロマンチックなシーンなのかと思い込んでいたが、実際はその真逆であり、なかなか観ていてツラいシーンだった。ポスターをよく見ると、たしかに2人とも笑ってはいない。オープニングから笑っちゃうぐらい美人な、マリオン・コティヤール。一方のアダム・ドライバーは、過激な芸風のスタンダップコメディアンという役どころで、こちらからビンタを仕掛けたら食い気味でボコしてきそうなぐらいヤバい野郎である。仮にあれがカラックス監督の分身なのであれば、この作品は監督自身による過去への懺悔か、もしくは自己憐憫か。とはいえ、エモーショナルな瞬間が僕にはこれっぽっちも訪れなかったのは、耳に残る曲がマジで一曲もなかったからである。全く入り込むことができないままエンディングへ突入した。落胆した。でもまあ、カラックス監督がやってみたかったんだったら……できてよかったんじゃないの。僕にはカラッキシ良さが分からなかったけど……
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