まーしー

ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2のまーしーのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ハリーとヴォルデモート卿の最終決戦を描いたシリーズ最終作。

名前を呼ぶことすら憚られる闇の帝王ヴォルデモート卿。その闇の帝王に逃げることなく戦いを挑むハリーの姿に、彼の成長が感じられる。
そして、ヴォルデモート卿の魂が入った分霊箱を探す旅から、ホグワーツ魔法魔術学校を舞台にした不死鳥の騎士団・ダンブルドア軍団 vs ヴォルデモート軍団の最終決戦へ。
登場人物の相次ぐ死が、この戦いの激しさを物語っている。
そして、ヴォルデモート卿が両手を広げ、天に向かって“ハリーは死んだ”と叫ぶシーンが印象的。

本作では、常にハリーを敵対視していたスネイプ先生の正体も明らかとなる。
隠されていたのは、スネイプの哀しき物語。
原作の携帯版の訳者は、最終巻の翻訳にあたりスネイプの物語が最も印象に残っていた旨を語っていたが、映画もその言葉に相応しい内容。
ヴォルデモート卿との激戦を「動」とすれば、スネイプに隠された秘密は「静」の役割を果たしており、印象に残った人も多かったのではないだろうか。

本作の欠点を強いて挙げるとすれば、「死の秘宝」の位置づけがあっさりしていたところ。
ただ、原作を読んだ時も深く印象に残っていないことを思うと、映像化にも限界があるのかも知れない。

シリーズの集大成にふさわしく、悲喜こもごもの内容の本作。
登場人物の多さ、魔法世界のスケールの大きさもあり、原作を読んだ身でも細部まで理解することは難しい。ただ、全8作にわたって描かれた壮大な世界観と少年たちの成長物語は、数々のファンタジー映画の中でもその名を残すことは間違いない。