どないやねん

ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2のどないやねんのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ついに完走。謎のプリンスからの三部作では一番面白かった。当たり前か。他の口コミを見た感じゴブレットから不評が多いけどそれも納得の上で、まあ最後まで見たらその辺りも許せるというか。そもそもその辺りから最終話への伏線が張られ始めて映画単体の完成度では計れなくなっていたと思う。

一番使われたのはルーモスかな。マルフォイを助けるところ痛快だった。主人公はそうでないと。しかしまさかハリポタシリーズの主役がスネイプ先生だったとは。「Look at me」の和訳が「私(我輩ではない)を見てくれ」ところに彼の本心が垣間見える、みたいな話を翻訳の妙みたいなもので読んだことがあった。てっきりリリーに向けた言葉なのかと思ったけどハリーに言ってたんだね。しかしジェームスが全然フィーチャーされなかったね。これだとリリーも目が曇ってよく分からん男に奪われたみたいなふうに受け取ってしまうよね。自然スネイプ先生が好きになる構図。

結局ヴォルデモートはいかにして権威づけされていたんだろうな。最終戦争前にいっぱい引き連れてホグワーツ来てたけど部下は一体なぜ従っているんだろうか。一作目から邪悪なものとしてさんざん脅されてきていたけど、結局敵はヴォルデモートだけであり彼の悪が根源的だったと思うけど、それではなかなか納得しがたい。生まれながらにして悪であれば彼は運命に従っただけであるから彼に罪はないように思うし(肉食動物が草食動物を襲って食べることに罪はないみたいな)、彼が成長と共に悪を身につけたのであれば彼以外にもその誘惑はあるはずであり、主人公サイドにも堕落の可能性があったはず。しかしそこが特に描かれない。もっと人間の根源的な悪徳みたいなものを真の敵とした構図として欲しかったな。
あの辺りの彼の邪悪性に権威がないからこそ、彼に付き従う(気まぐれに殺されたりするのに)人たちや、彼の帝国を望む人々の気持ちが分からず、主人公サイドの人たちのみがまともに見えた。それではドラマもクソもない。そういう意味でマルフォイやそのお母さんの改心はかなり見所だったが、そこにも特に掘り下げがなかったのが残念。
ネビルも影の主人公であった。やはり求めるのはああいう、曖昧な心境や人間の弱いところの超克であって、最初からいけいけどんどんのハリーに寄り添えないのは当然と言ったところか。

ロンとハーマイオニーキスするんそこかい。マクゴナガル先生がとても良かった。スネイプ先生に立ちはだかるところはかなりアツかった。あとロンのお母さんが私の娘に何をするって言ってベラトリックスと戦うところもアツかった。親としての矜持ってのは本当にいつも泣けるね。
ダンブルドアと話したところはなんだったのかよく分からなかったけどまあそれでよかろう。