ドイツ軍占領下での作品は数多見かけますが，イギリス軍占領下でのハンブルグが舞台の作品は珍しいのではないでしょうか．こんばんわ三遊亭呼延灼です．
寒い風景苦手マンといたしましては，ｳﾌﾌｷｬﾊﾊな関係でありましても，雪合戦なぞ御免被りたい事案でございます．あぁでもその後お楽しみがあるなら，ちょっとくらいは我慢するかもしれません．雪で冷えた手のままにベッドに寝転がる愛人の足や太ももを触る・・・それは楽しいかもしれません．
終戦から5ヶ月．駐屯するイギリス軍将校夫婦の居住地として広大屋敷を徴収されたドイツ人建築家．追い出されるところでしたが，将校の温情により娘と屋根裏住まいする事になります．ほんの5ヶ月前まで敵味方だった間柄，簡単に打ち解けるはずもなく仮初めの日常生活が続きます．
本作で鍵となるのが，将校夫婦は息子を，建築家親子は奥方（母親）を空襲で亡くしている事．特に将校夫婦はその事が原因で関係がギクシャクし，ついには・・・
人の心の移ろいやすさ，脆さを丁寧に描いた作品で・・・と記したいところでありますが，「かつて観たやつ」の範疇にとどまるのは残念でありました．せめてキーラ・ナイトレイが素敵だったらよかったのですが，役柄故か20時間くらい煮込んだ後の鶏ガラ並に艶が感じられず，ｳｰﾝと唸った次第でもあります．
ただ88のタトゥーが，アルファベット8番目の文字「H」が二つ並んでハイル・ヒトラーという意味だと知ったのはトリビア的にへーってなりました．
