HidekiIshimoto

蜂の巣の子供たちのHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

蜂の巣の子供たち(1948年製作の映画)
5.0
眼は対象に完全に入り込み、頭は空白というか真空、なのに胸は何かでパンパンになり、何だかわからず鼻がシュンシュンしてきて、歯をグッと噛み締めている…それつまり感動ということなんだけれど、何度も何度も、ふいにその小さな波に襲われ思わず居住まいを正し、そして終盤では予想を超える大波がだっぱ〜ん!やってきた。もうボロ泣き。リアル孤児役者の演技なのか分からない涙と、画に漲る監督の意志にもう鼻までたれた。撮られたのが終戦からわずか3年後。監督自身が引き取って育てていた本物の戦災孤児たち。もうセリフ棒読みだとかどうでもいいこの感動の底にあるのは、言ってみればまあ只の思いやり。で豊かさの中で消えていったのも只の思いやりで、豊かさの果てに出てきたのが受験戦災孤児ってか。どっちが悲惨なのかもはや判りません。彼らにだって必要なのはパンよりも思いやりか?必見!


(youtubeで観れる)