ゆっきー

七月の雨/夕立ちのゆっきーのレビュー・感想・評価

七月の雨/夕立ち(1967年製作の映画)
4.0
アントニオーニのような愛が冷める話をヌーベルバーグのようなタッチで撮ったロシア映画。傑作。冒頭のモスクワの雑踏を車中から移動撮影し、主人公のレーナに標準が合うシーンが素晴らしい。音楽も、ラジオの音のコラージュでカッコいい。

全体的に横移動撮影が多くて、シネマスコープの画面を目一杯使ったような画面構成が魅力的。中盤の彼氏の友人たちとピクニックに行くシークエンスは、ロケ地の魅力も相まってか、ロシア映画的だった。っていうかタルコフっぽかった!さすが師匠。

ラスト、舞台はふたたびモスクワになり、物言わぬモスクワの若者たちの無数の顔のモンタージュで終る。ここも凄く美しい。いやもう、こんな映画、ロシアに有ったんだ!って感じです。
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