takanoひねもすのたり

フラワーズのtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

フラワーズ(2015年製作の映画)
3.8
再鑑賞(&記録し忘れ)

綺麗は汚い。
汚いは綺麗。
綺麗は汚い。
汚いは綺麗。
さあ飛んで行こう。
霧の中 汚れた空をかいくぐり。
シェークスピアのマクベス、魔女の台詞。

観るたびに浮かぶのはこの台詞。

内容は何処かの廃屋で目覚める女性達(FLOWERS)彼女達はそれぞれ、汚物や汚濁にまみれた場所を這いずり回り、ある場所へ辿りつく、そこにはモニターがあってある映像を映し出す……というのが大筋。
ほぼ台詞はありません。

監督の『俺はこんな絵が撮りたいんだよ!』というイメージと美意識の拘りが、めちゃくちゃ伝わってくるグロテスクで腐敗の美を感じさせる映像の連続。
血反吐も臓物も、荒みきった内装も、カラカラに乾いた骸骨も、汚泥の固まりも、はいずる虫も、どこか艶かしく、死の気配が全体に漂い。

個人的に、脳髄がひたひたと映像に浸っていく感覚がとても良きなのです……。