人種差別を背景にアメリカの大学生3人が思いがけない事件に巻き込まれて右往左往するコメディスリラー。
アフリカ系アメリカ人の優等生ケレンとやんちゃ系のショーン、ラテン系のゲームオタクなカルロスの3人はルームシェアしながから同じ大学に通う学生。パーティー連続制覇を計画していたその晩、家に戻ると見知らぬ白人の女の子が倒れていた。すぐに警察を呼ぼうとするケレンを「この状況を見ろ!黒人だから逮捕される!」と頑なにショーンが止め、彼女の対処で言い争い段々と事態が拗れていってしまう。
小事が雪だるま式にややこしくなっていく系の展開、全体コメディタッチではあるんだが結構胃がジリジリする状況が続く。
育ちが良く警察が絡むような問題を起こしたことが無いケレンと、警察沙汰が身近なショーンでは警察と社会への解像度に差があり噛み合わない。2人の価値観のズレの真ん中にいて緩衝材の役割をしてたのがカルロス。
最終的に女の子を病院へ送り届けることになるんだが、そこで一波乱が起きた後、ケレンの価値観が変わる(ショーンの言葉の意味が実体験を伴って返って来る)
日本は余程凶悪な事件じゃない限り、一般人が問答無用で警官に銃口向けられる事態になり得ないからなあ……あちらは銃社会故に更に根深い。
ケレンの表情が全てを語ってた感。
絶望と恐怖がないまぜになったような。
アメリカの黒人差別問題は、国の(歴史を遡って)構造の問題が根本にあるので、その不均衡さが是正されていくには時間がかかるのだろうし。東の島国で生きてる私が言えることなど薄っぺらいもんでしかないが。
やんちゃ系のショーンのドラッグディーラーやらハッパをやってた彼の兄貴やその友人達が、倒れてた女の子が高校生だと判明すると、一斉に「撤収!」って家から去っていったのがちょっと笑った。
意識失くした女の子に降りかかる悪さのうち、そっちの悪さを考える人間がひとりも出てこないw
悪くなかったけど、あまり楽しくはない……って感じ。笑える話ではないんだよ。