ふじこ

ピンクのふじこのネタバレレビュー・内容・結末

ピンク(2016年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

絶対口に出来ない(しない)けど、"男の"とつくプライドだの沽券だの。
正直に言うと えっそんな事でぇ?と思う事がある。
"男の"を持ち出すと非常に安っぽくなってしまう。"人間としての"なら理解は出来るんだけど。

これもそう。ヤれる!と思った女とヤレなかった上に身の危険を感じた女に瓶で殴られて結構な怪我をする。
ココで"男としてのナンたらに関わる!"が発動して、殴られた良い家のお坊ちゃんの取り巻きが脅迫(セコい)に乗り出す。
3人でルームシェアしている友達同士、色々あって遂に被害届を出しに行くのだけれど、男の警察官に軽くあしらわれてしまう。
そうこうしている内に、相手の男から殺人未遂の疑いで訴えられ、裁判へ。

ここで序盤から謎のマスクを装備してガン見してくる怪しさしかないジイさんが協力してくれる。実は引退した凄腕弁護士らしい。なんかたまにボーッとしたりしてるけど、軽度認知症とかそう言うアレなのかな…?奥さんも劇中で病気のため亡くなるし、心労もあったのかなあ。

裁判シーンからやっと面白くなるんだけど、ここまでで半分くらい、正直ちょっと長いと思った。
男側は全く嘘の証言や証人を買収したりでもの凄く優位。
女達が売春目的で近付いて来て、断ったら脅され殴られたと。

有能尋問でこれを覆していくんだけども、非常に同情的に観ていたらジャケット絵左の、恐らく一番貧乏な女が、かつて付き合っていた彼氏に金を貰っていた事を執拗に突かれて「貰ってたよ!金!でも途中で嫌になったからやめた!」と証言してしまう。
ここでMAXに近かった同情ゲージが超急下降。えっ結局売春目的?それともこの女が友達2人売ったの…?と…。
その後のシーンで、本当は金貰ってないけど誰も信じてくれないから勢いで言っちゃったらしい。
はぁ?て言う。友達が殺人未遂で訴えられてるのに(自分もナンだったかの罪で6ヶ月請求されているのに)、証言台で辱められてムカついたから嘘吐いたの…?二人にめちゃんこ謝ってたけど、殴られて当然だよこんなの。
ここが正に"女の"プライドだと思った。そうじゃない感情も勿論あるんだろうけど、こんな悪手打つ理由にならない。呆れちゃった。

このせいでスーっと冷めた気持ちでその後を見守ったのだけれども、爺さん弁護士が有能だったので逆に男側を猥褻罪でぶち込む事に成功。
ほんと、爺さんに始まり爺さんに終わる。女3人は中々の無能だったけど、この爺さんいなかったら今頃終わってたな、と思いながら観終わった。
10年以上も前に、インドで女に産まれたら地獄だな と思ってから、少しは変わったのかなぁ…ほんとに、少しずつを重ねるしかないんだろうな。
ところで、"ピンク"って何の事だったんだろう。脳みそが、って事?

最後にものすごく当たり前なのに、未だに化石みたいな考え方の奴とか、すぐ勘違いしちゃう奴の為の金言があった。

"ノー"は"ノー"なのです

たとえ相手が知り合いであれ
友達であれ恋人であれ
性労働者であっても
あるいは自分の妻であっても
"ノー"は"ノー"なのです

誰かが"ノー"と言えば やめるべきです
ふじこ

ふじこ