さききち

アイスと雨音のさききちのレビュー・感想・評価

アイスと雨音(2017年製作の映画)
4.0
アイスと雨音

演劇と現実の境界。
演じている?生きている?
違いは?立っているのは舞台?日常?
全て地続きの地平。

2017年。
監督自身に降りかかった舞台中止という現実。
写真がその瞬間を切り取り保存するように、
この映画は、2017年の熱意と失望、その想いを高湿度・高純度でパッキングしている。74分間、偽物ではない、作り物でもない、17年、下北沢。そこにいて、感じて、熱をもって、生きた者たちの本当のワンカット。
『カメラを止めるな!』同様、映画製作が愛おしくなる作品。

慟哭と情念をミニマムサイズだけれどフルサイズの日常や夢、愛をアコギ1本 マイク1本で歌い上げるMOROHA。
彼らが人生の使徒のように時折道標となり、展開してゆく時間。

今回はムーラボ18のプレイベント、新宿での鑑賞だったが、願わくば下北沢トリウッドで観たかったなぁ。間違いなく劇場で観た方が良い作品の一つ。
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