イチロヲ

ドラゴンへの道のイチロヲのレビュー・感想・評価

ドラゴンへの道(1972年製作の映画)
4.5
イタリアの中華レストランに雇われた格闘家が、地上げ活動をおこなうギャング団に肉薄していく。ブルース・リー自身が初監督&脚本を務めている、香港産アクション映画。日本配給が東和から東映に移行している。

店の客人として招聘されたブルースが、英語が話せずに異国の地で難儀する。異文化ギャップネタを喜劇的に盛り込んでいる作品。また、ブルースが敵対者を殺害しないところも、他作品とは大きく異なっている。

後半に入ると、敵対組織がアメリカ人と日本人の格闘家を招聘。日本人空手家(演者は外国人か?)が、間延びしたテープのような棒読みで言い放つ、「おまえがぁ~タン・ロンかぁ~」は、鑑賞者同士の合言葉として定着するに違いない。

終局では、剛毛戦士チャック・ノリスを相手にした、ベストバウトが展開。プロレス団体UWFや総合格闘技MMAの原型とも捉えられるムーブの連続に感動しきり。「銃社会においても、頑なに格闘術を貫いている」という観点では、敵対者も同志なのが感慨深い。
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