忘れた頃にやってくる。忘れた頃に観たくなる。
、、、それが、“風天の寅”、『男はつらいよ』。
そう、、、男はつらいんだよな、寅さん。
『男はつらいよ』シリーズ、45作目。
気付けば45作目まで来てしまった。残りももう数えるほど。
毎回恐ろしく賑やかに過ぎ去っていく“風天”を観てはや44回、今回で45回。毎度毎度、本当に元気をくれてとてもありがたい。
もうすぐ、それもゴールか、寅さん、どうしたもんかね。
今回も、満男と泉を中心に。満男、しっかり大人になっていくな。
相変わらず泉ちゃんに夢中の満男。
泉ちゃんと会える日だけ博やさくらちゃんに愛想を振り撒く憎たらしい青年に成長した。
それを知りながら、それに付き合う博とさくらちゃん。こういう父と母、良い。あったかい。
そろそろ“そういう歳”になっていく若い男と女。泉ちゃん、後藤久美子、一気にとんでもなく大人びてきた、、、そりゃ寅さんも見間違える。
お互いは意識し合ってはいるものの、距離を測り兼ねてるような。どうしたらこれ以上近づけるのか。
プラトニックで純粋な2人。
と思ってると、なんか、妙に、満男が“かつての寅さん”に見えてきた。
ドジで、ウブで、早とちりで、いつもソワソワしてる。泉ちゃんのことになると周りが見えなくなる。
シリーズ初期の寅さんにそっくりだなと微笑ましくなる。
宮崎県日南市。
九州の南の方だけあって賑やかで南国情緒。さすがプロ野球チームがキャンプをするだけある。
そして、風吹ジュン、来た。
永瀬正敏もクソカッコ良い。この2人が姉弟ってすごすぎるけど、風吹ジュン、素敵だ。
個人的な“日本のお母さん”が3人いる。それが、倍賞千恵子、風吹ジュン、薬師丸ひろ子。
その2人が、この作品で共演してる。
倍賞千恵子も風吹ジュンもほんと可愛くて素敵。
可愛いのに、色々あっても、寅さんが相手でもそれを包み込み、屈託のない笑顔で迎え入れながら、たまに寂しい顔も見せる。
だけど、寅さんがそれを良い加減ながらも癒すような、持ちつ持たれつで織りなすやり取り。
紳士淑女の大人の慕情みたいな、哀愁というか。
サッパリしててちょっと姐さん肌気質だけど、いつの間にか寅さんを気に入ってるツンデレっぽい感じの風吹ジュンが可愛すぎる。
兄の出先での怪我でヤキモキしながら、いつもの兄の“風天”に奔走し、息子の満男の“風天”にも手を焼きながら、いつも笑顔のさくらちゃんも素敵すぎる。
『男はつらいよ』が2世代で、、、つらいよ、と。
御前様、笠智衆もすっかりお年を召した。
この頃の『男はつらいよ』は、いつもの寅さんの旅とさくらちゃん達だんご屋連中だけではなく、満男と泉、泉の母親、そして、寅さんの旅先から、と、いくつものドラマが走っている。
この1作に詰まったいくつものドラマ、どのドラマにも浮き沈み、嬉し楽しみ、幸せも辛さもある。
寅さんと満男、、、似て非なる道に迷いながらも一生懸命に生きる男が2人。やっぱり今日も涙の日が落ちる。負けるな。
素敵な45作目。
※24年3月、映画オススメブログ、始めました。
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