ちろる

男はつらいよ 寅次郎の青春のちろるのレビュー・感想・評価

3.7
クリップし忘れ分 ラスト。
こちらは満男の恋シリーズ第4弾。
泉ちゃんた満男の2人の恋は最終回を迎えてもいい具合だけれど、なかなか心のうちが読みにくい泉ちゃん。
満男よりまさかの寅さんが運命の人なんかじゃなかろうか?と思うくらい地方で泉ちゃんと寅次郎はよく出会う。
親友の結婚式に宮崎に来ていた泉ちゃんと、ひょろりと訪れた宮崎の漁村に居座ることになった寅次郎。
この時寅次郎は足を怪我してしまうという失態を犯してしまうけれど、多分上手く身体を動かさなくなった渥美清さんへの配慮なのかなと今観ると思う。
ただ、そのただの捻っただけの設定も葛飾の町ではなぜだか寅が危篤とばかりに大騒ぎになるドタバタ感。これ好き。
寅さんのマドンナはいまでも可愛らしい風吹ジュンさん。
レトロな床屋で2人きり、丁寧に寅さんの髭を剃るシーンは女の私でもそそられる。
とても色っぽいです。
そして、若き日の永瀬正敏さんがまさかの満男のライバル役??
クールでとんがってそうなのに、宮崎弁バリバリで割と癒し系な漁師ってのがとてもはまっていて素敵、こんな姉弟とのらりくらりと賑やかに過ごす寅さんも悪くないと思ったのですが、上手いことがどうしても言えなくて蝶子を怒らせてしまう。
怒りながら、車で迎えくるシーンなんかグッときたなぁ。風吹ジュンの雰囲気と蝶子の気の強さがとてもマッチしていて個人的には好きなマドンナ像でした。

脇を固めるタコ社長は見ていて辛くなるほどに痩せこけて声も出にくく、御前様の笠智衆はこの後天に召されてしまう。
少しずつ終わりを感じさせる空気感がより一層切なくなる回でした。
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