紅茶

しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイスの紅茶のネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

タイトルで身構えたが(誰がつけたんや、何避けか?くらいダサい!)映像は奥行きがあってカラーバランスも美しく、これはいけるのではと鑑賞、当たり!!

「人は人と違う人を嫌うの」と本人もさらりと口にするほど「違っている」扱いを受けることが日常であるモードが、絵を描くことが「彼女は人間である」ということを見える形にするひとつになっててよかった。増え続ける窓のお花の絵に萌える。絵のタッチも重要で、ちょうどよいナイーブアート。そしてカード描くの楽しそう。あんまり考えてなかったけどカードって小さなアートなんだなぁ。サンドラさいこう!
あどけないようで深い悲しみがあるサリー・ホーキンスがまたぴったりだった。
イーサン・ホークが乱暴者でありつつも不器用で優しい人間味を醸し出している、演技なのかくらいの滲み出るようす、すごいわ、一生好きだわ、最初出てきたとき、まあマイヒーローがおっちゃんになっちゃった!と驚愕しちゃったけど撤回、ずっとヒーロー!いつまでも泣きそうな顔が最高に美しいヒーロー!!大柄で田舎の不器用なおじちゃんを見事にイーサン・ホークなまんま演じててもうもう一生ついていくわという気持ち。

えっ実在の人やったのか!
そらそうか!
ちょうどよいとか言って悪かったです、そら本物やもの、ええわ


「絵は教えることじゃないわ
描きたいように描くだけ」
って素敵だなぁ。

そしてどうしよう、
わたしが忘れてしまっていた夫婦のありかたがあった。
お互いが「役に立つ」わけでも、
人として機能するからというわけでもなく、
居場所のないふたりが、
お互いを拠り所として宿り合うという。
ついつい妻として家事ができることや、夫として稼ぎがあることなど、「夫婦」として機能が高いことに目が眩んでしまうのだけど、
本来は、お互いを宿り木として憩い会うことが夫婦ではなかったか。不器用ながらもそれを叶え続けたふたりはモードの描く絵以上に純粋でまぶしいものに写る。

エンディングの歌がまた!
泣いてしまうほどよかった。
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