ちろる

ホンモノの気持ちのちろるのレビュー・感想・評価

ホンモノの気持ち(2018年製作の映画)
3.8
心は元々ないはずなのに、感情が自然と育っていく。
創造主の手を離れて、生々しい感情が溢れ出す。
何も感じないより痛みがある方が幸せだから、
苦しいけど、この世界で生きていこうと思ったのは私の中の何か。
私はホンモノじゃないくせに・・・何故だかあなたへの気持ちはホンモノだと言い切れる。

元々コールに恋していたゾーイと、秘密を打ち明けた事で戸惑いながらも少しずつゾーイに惹かれていくコールの気持ちの動きが微妙にすれ違っていくのが切ない。

愛し合うのも、感情を燃え上がらせるのも、とても簡単なのに、本当に愛し合えるはずの2人の関係はは途切れたまま。

コードを埋め込むのも、薬を飲むのも同じくらい簡単でも、「ホンモノの気持ち」だけはなぜだか通じ合うのには時間がかかる。

大好きなレア・セドゥとユアン・マクレガー、それにクリスティーナ・アギレラまで登場して、私好みの不思議な近未来の恋物語がが幻想的な映像で描かれているSFファンタジー。
AIでも、人間でも何かしら孤独を抱えている。
誰かと繋がりたくて仕方ない切なさが、逆にぬくもりを感じさせてくれた今の時代にぴったりの物語でした。
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