まりん

あさがくるまえにのまりんのネタバレレビュー・内容・結末

あさがくるまえに(2016年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

いつものように出掛けた大事な人が事故に遭い、ある日突然帰らぬ人となる。そんな悲劇。
それが実際に起こる事を、私は知っている。
だけど、コレはその人生のドラマでは無く、死に行く人から生きる人への臓器の移植。
その受け入れ方・・というか、それがどう行われ、命がバトンタッチされるのか。それを凄くリアルに、描いて居る。

愛する人の身体をこれ以上傷つけないで・・と願う気持ちを責める事は出来ないと思う。
受ける人も、自分が誰かの死を待っている事実が重いと感じている。

どうかな・・受け入れられるかな・・その時にならないと解らないけど。
誰にでも起こりうる突然の死の前に、臓器提供の意思表示をしておくことは、辛い思いをしている最中の家族に決断を押し付ける事を避ける為に必要なのね。

脳死の身体の臓器は、とても冷静に、貴重な宝物のように扱われる。
ああ切って、ああ言う道具でああやって取り出され、ああやって運ばれ、ああいう思いでそこにいる誰かの元に運ばれ、ああやって繋がれ、皆、祈る気持ちで適合を見守る。

それはもしかしたら、ちょっと誇らしい事かも知れない。
私の臓器、良くやった!って、思えるのかも。
死んでしまったら分からないけど。

そして脳死の身側も、家族の愛を持ってお疲れ様・・と死を与えられ、臓器を送り出す。
誰もがそう言う最期だと良いけどね。

こんな最期ばかりじゃないだろうけど、ちゃんと考えてみないと‥と思う映画でした。

目を開けた彼女の喜びの表情が、とても印象的。
まりん

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