Kodai

シェイプ・オブ・ウォーターのKodaiのレビュー・感想・評価

4.6
まさに「美女と野獣」、、

とは程遠く、でも女性と人外との恋を違った意味で幻想的に描いてる映画。

特にこれといって美人でもない言葉を失ってしまった女性と、誰もがその見た目から敬遠する魚人との恋が、こんなにも魅力的で愛おしいくなるのは、映画の世界観のおかげなのか、見終わったあと首を傾げながら帰りました笑(サントラも買って聴きながら帰宅笑)

時代背景や登場人物について詳しく説明があるわけではないんですけど、全く気にならないですし、物語が始まって3分でお伽話の国に溶け込ませてくれるのはさすがギレルモ・デル・トロ監督です。

それぞれ違った性的嗜好を持っているマイノリティーのキャラが多く登場してして、だから「マイノリティーへの社会的メッセージ」が詰まってる良い映画なんです!
ではなく、ただ単にいつになっても恋をした時は世界が美しく見えるというのがシンプルに伝わってきて好きでした。

恋をしたら、歩いてるだけで自然と笑みがこぼれたり、買いたかった赤い靴を買ってみちゃったりと、恋の相手が「魚人」であろうがなかろうが、美しく見えてしまう世界が愛おしかったです。

一方で、中々エロティックな感じで、過激なシーンもあります笑
恋をした時の幼さと大人であることのエロティックさのギャップが、絶妙に作用してこの映画独特の雰囲気を作り出してるのかなとは思いますけど、「魚人」との×××の説明がメチャメチャ面白かったですww

また真面目に感動したシーンで「私が言葉を喋れないということを彼は知らないから、ありのままの私を見てくれている」というセリフが結構好きでした。
どんなに理解をしたいと思ったり、偏見を持たないと強く決めていても、「言葉を話せない」という事実を知ること自体を知らないことにすることはできないということに、ハッと気づかされました。

その事実を知っている時点で、何かしらのバイアスがかかってしまうのは、人間仕方ないことだけど、どうにかしたいジレンマな気もします。

P.S 今回の映画は監督の趣味映画なような気がしてならないですが、この映画作りたかったんだろうなーと監督の愛を感じました。
だって魚人のディティールの凝り方が半端なかったからです笑
Kodai

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