こまち

シェイプ・オブ・ウォーターのこまちのレビュー・感想・評価

3.6
不思議な雰囲気に魅力がある。
オープニングがすきだった。ふわふわ揺れる水の中の部屋。最高にロマンチックだ。
声を出せない女性と囚われた半魚人、孤独な二人の交感は、普通の美男美女の恋愛模様より切羽詰まったものだと思う。

ロマンチックだけど、全体的にダークだ。
ダーク×ロマンチックの雰囲気作りに関しては無二のものだと思う。
生々しく痛い描写が多く、「パンズ・ラビリンス」を思わずにはいられなかった。
特に、ストリックランドの狂気さえ感じる執念に、「パンズ・ラビリンス」のヴィダル大尉が重なった。
彼は途中から正気を失っていたと思う。

雰囲気はすごく良かったけれど、話自体はふつうだ。
むしろちょっぴり物足りない気がした。隣人のジャイルズの話とか、もっと掘り下げられたのでは。
全体的な完成度は「パンズ・ラビリンス」の方が高いと思う。
こまち

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