kai

彼女の人生は間違いじゃないのkaiのレビュー・感想・評価

3.7
3.11で母親を失い、その後恋人とも別れてしまった主人公。原発による汚染で農業が出来なくなった父親は、定職に就かず補償金でパチンコ三昧の日々を続けている。主人公は福島で公務員の職にありながら、週末デリヘルの仕事をするため東京へと向かう。
福島の人々の失ったもの・苦しみが大き過ぎて、レビューを書くことも躊躇してしまいます。人々の悲しみ・苦しみが景色や日常生活の中に様々な形で描かれていました。
主人公がデリヘルを行うことは、自らを汚し、傷つけ、無いものにしてしまいたいという心の悲痛あるいは心の病のように感じました。自分だけ生き残り、幸せになってはいけないと思っているのだろうと。
ラスト、かすかに希望が射しこんでいるところにホッとしました。
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