アカウミガメ

アナと雪の女王2のアカウミガメのネタバレレビュー・内容・結末

アナと雪の女王2(2019年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

2019 12/6 105 ネタバレ

映像がさらにパワーアップしていてよかったです。

オラフが妙にbizarreな感じなのはクリスパックがティムバードンの絵コンテとか描いてたひとだからなのでしょうか。かわいい。そういえばエルサとアナもどことなしティムバートンぽいような。個人的にはどっちも瞬間最大風速的にエマトンプソンに見えるという謎現象があります。

前作でクリフ像をめぐってホワイトウォッシュ&文化盗用だとまっとうに怒られたことにたいする回答がノーサルドラの人々の描き方およびアナとエルサをマルチレイシャルと設定してみせたことにあるんだろうなと思いました。

ディズニーはすごく頑張っている…!

アナ雪2、これまでのディズニー(とディズニープリンセス)がやってきたことに対する反省および post2016 換言すればpost truthおよび歴史修正主義および人種幻想にたいする倫理的メッセージが前面に出たストーリーでびっくりしました。

物語世界内で歴史修正主義を主人公側の問題として/かつ明確に悪として/描いたのは凄いと思います。

とはいえやっぱり白人的なパースペクティヴの域は出てなくて、(ディズニー映画だし前の物語とのつながりもあるしという事情は汲みますが)マティアス中尉が王様と共謀していたという設定は大丈夫なのかとか気になるところがあったりなかったり。

あと最近はディズニープリンセスに公式ex boy friendがいるような時代になったのかとかハニーマレンがライダーの妹として登場したことの意味とか考えたいことがいろいろあったのですが、途中で視点が分散して処理できなくなっちゃったので円盤になったら改めて見返したいです。

その他まとめきれなかったこと

「魔法」と民族を結びつけると前作でとっても注目されたクィア的解釈が成立しなくなるような…?
サーミの問題にはちゃんと答えようとしていた感じがした一方で、クィアスタディーズによる反応への回答はわりとお茶を濁したような印象を持ちました。でも単に私がうまく読めなかっただけかも。全編をそういう視点で解釈していたわけではないので判断保留とします。
→ 「魔法」を「自然」の一部に還元したという点においてヘテロノーマティヴィティ的なホモフォビア(たとえば「同性愛は自然ではない」とか)に対する反論を試みていたと言えるかもしれないな、と後から思いつきました。