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ライオン・キングのamのレビュー・感想・評価

ライオン・キング(2019年製作の映画)
2.9
日本語吹替で鑑賞。
映像技術ってこんな意味わからんくらい進化してるのね…。あまりに凄くて、CGスタッフが2億人くらいいてCG班のスタッフロールの尺だけで1時間越えするんじゃないかと怯えるレベル。
動物たちの質感も動きもCGであるのを忘れるくらいリアルで、帰宅して我が家の飼い犬が喋らない事に逆に違和感を覚えたくらいだった。

それくらい凄かったけど、やっぱり何回も見返したくなるのは圧倒的にアニメ版の方。
当然の事だけど、動物としてのリアルさを追求する為に表情の豊かさや台詞の抑揚が犠牲にならざるを得ないので、私にとってのライオンキングの魅力の大部分が削がれてしまっていた。
台詞もアングルも基本的にオリジナルをそのままなぞっているだけに、幼少期にアニメ版を気が狂う程見まくっていた自分としてはアニメ版の抑揚低減バージョンを見せられているだけのような感覚だった。
不可解だったのが、アニメ版87分から今作は118分と尺が拡大しているはずなのに、元々あった台詞の"タメ"の部分が変にカットされていて所々アニメ版以上に展開の駆け足感が出ていた事。
特にシンバとナラの数年ぶりの思わぬ再会だというのに「シンバ?」「ナラ?」が間髪入れなすぎリアクションあっさりしすぎでかなり不自然だった。

やむを得ないとはいえ台詞回しのコレジャナイ感が終始拭えなかったので、字幕で見たらもう少しマシだったかもしれない。大好きなスカーの声も江口洋介だと悪人感半減だしなぁ。本来スカーの最大の見せ場である曲『準備しておけ』も、実写で再現できないとはいえもうちょっと気合い入れて演出して欲しかった。
そんな感じで面倒臭いオリジナル信者(その自覚はある)としては文句を言い出すとキリがないけれど、一番声を大にして言いたいのは

虫 勘 弁

ということ。
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