RIO

ライオン・キングのRIOのレビュー・感想・評価

ライオン・キング(2019年製作の映画)
4.5
まさにこれですよ〜〜〜〜〜〜〜!ファン(わたし)が観たかったディズニーアニメの実写化は!!!!!
やっと観に行けました。厳密に言うと実写ではないですが、そう呼ばせてもらいますね笑

ディズニーの中でも素晴らしい名作のひとつ、大好きな「ライオンキング」を驚きのフルCGで"超実写化"した作品。監督はアイアンマンシリーズでもメガホンを取り、かつ側近・ハッピー役でも出演して親しまれていたジョン・ファブロー。さすがハッピーは有能ですね!笑 アメコミ映画を牽引した時点で演出等お得意なのでしょうが、CGによる圧倒的なクオリティの映像はやはり大衆の評判通り、最大の見所でしょう。
しかし、それ以上に最近頻発するディズニーアニメの実写化作品のどれにも勝る、原作愛溢れる作りに感動しました。
誰もポリコレ棒で殴られず、監督の個性に染め上げられることもなく、原作の良さはそのままに実写でしか出せない迫力と没入感を視覚的な現実世界に再現してくれて、愛する作品の実写化として求めていたのはまさにこれですよ!決して他作品を貶しているわけではありません。各レビューを見ていただけると分かる通り、現代に生きる人間が演じ直すなら価値観のアップデートされた新たなキャラ付けは必須でしょうし、著名な監督とタッグを組むのも実写映像に幅を持たせ非常に見応えがあるものとする点で素晴らしかったと思っています。
それでも、純粋なファン心理は「大好きなアニメ作品をそのまま現実でも見てみたい!」というだけのもの。画面上で"役者"という存在を排除したからこそ起こっただけのことかもしれませんが、それが本当に嬉しかったです。圧倒的再現率のカメラワーク、違和感を醸し出す新曲の投入もなく、キャラの掘り下げも全くいやらしくなく自然に入ってくる。実写化においてはファンからの当たり前の期待でも、普通なかなかそうはならず糾弾されがちな事を思うと本当にセンスがいいですよね。何度お礼を言っても足りません、ありがとうジョン・ファブロー監督!!!

ストーリーの良さは元からですが、深みが増しても散漫にならず、むしろ仕掛けがうまく収束するような作りも完璧でした。そして何度も言いますが、映像美は圧巻。雄大な自然美に加え、やはり動物たちの描写は信じられないほどのクオリティです。表情がなく違和感があるという話も耳にしていましたが全くそんなことはなく、むしろ目を疑うほど豊かなのに自然な表情で驚きました。耳の動きやちょっとした仕草での感情表現も感心で、研究に研究を重ねたであろう製作陣の熱量には思わず胸が熱くなりました。予告からメロメロになっていた子ライオンたちの可愛さはもうたまらなかったですし、どのキャラも原作の味は守りながら秀逸に差別化されていて大満足です。
そして、ディズニー映画のサントラでも至極の名作である、エルトン・ジョンが手がけた音楽たち。各曲余計なアレンジは加えず、ドナルド・グローヴァーとビヨンセをはじめとする本気の配役で魅せるミュージカルシーンも最高でした。新曲もさらっと効果的に使われていて、押し付けがましくなく非常に好感が持てました。
字幕で鑑賞したのですが、各キャストの違和感も全くなし。当初キウェテル・イジョフォーがスカーなんて意外でしたが低音ボイスが素敵でびっくりです。唯一リメイクされた「Be Prepared」も観る前は残念だな、と思っていたのにあまりの馴染み具合とかっこよさに結局惚れ惚れしました。どのナンバーも最高で、映画館でこの映像美と共に体感できる事実に感動して涙が止まりませんでした。
唯一期待してしまったのは、アレンジが大好きだったエルトンボーカルの「Can You Feel the Love Tonight」。アーティストは違ってもあのアレンジで今作エンドロールにも流用してくれたら最高だったなぁ。

いやいや、でも本当に素晴らしい実写化でした。もっと評価高くてもいいと思うんだけどなぁ。原作アニメ共々、より多くの人に深く愛されて欲しいと願ってしまいます。
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